ハル、開花する

「マインクラフトの音符ブロックを使って音楽を作るんだよ。」

「やったことありますか~?」 としTがニコニコと話始めた。
ハルは音楽はいまいち苦手な分野だった。体を動かすのは好きだけど、ダンスもいまいちセンスがないと感じていた。

「音符ブロック?」
音符ブロックなんて使ったことがなかったから、いったい何をするんだろうと興味が湧いてきた。「えっと…マイクラって遊びでしか使ったことないけど。」

「それで十分です! 音符ブロックってのがあって、これを並べてみると、素敵なメロディーが作れるんだよ。」

としT先生は、マイクラの画面を操作しながら、ハルが使ったことのないブロックたちを並べ始めると、だんだんと音が鳴り始めた。

「真似してやってごらん。」としTが誘ってくれた。
最初は画面をじっと見つめるだけだったハルも、見よう見真似で自分で音符ブロックを並べてみた。同じようにできた、音が出た。

「面白い!音が鳴る!」

マイクラの違った世界を知る


自分なりにいろいろ試したら、意外と面白い。「わっ、私が音楽作ったんだ」と驚くハル。こんな音楽の感覚は初めてだ。

「そう。ハルちゃんの感性が作り出した音楽だよ~」

「ハルちゃんのアイデアが形になったんだね!」と、としT先生はやんわり目を細めて笑った。
その後も、ハルはブロックを並べながらいろんな音を試した。

失敗しても「それも冒険の一部さ。失敗だと思える気持ちって大事だよ~」と言ってくれる先生の言葉に背中を押され、次第に夢中になっていった。

気が付くと、体験時間はあっという間に終わり、としT先生が最後に「マイクラって、ただゲームするだけじゃないんだよ。世界を作れるんだよ!」

「また気が向いたら習ってみてください。じゃあね~」体験は終わった。

まだ何かをやり残した感じもあるし、ハルはもっとやってみたくなった。
「音楽って面白いかも…」


「ママ、もっとやってみたい!!」オンライン体験から始まった小さな挑戦は、彼女の創造力を目覚めさせ、可能性に満ちた未来へ向かおうとしていた。